2007-09-26から1日間の記事一覧

「壱弐玖参」

いつものように大男の握り拳は、土煙を巻き上げながら、少年をいとも容易く宙に飛ばした。 雑草が生える殺風景な閑地で、大の字に倒れ込んだ少年は眼前に広がった青空を見ながら、混濁した意識がはっきりするのを待った。 足元から大男の罵る声が聞こえる。…