「モノノ怪」化猫・二の幕。
数ヶ月前の門脇刑事の聞き込みから、乗客達の女性記者飛び降り事件との接点が徐々に見えてきた。物の怪が迫ってくる中、ただ心に秘めて誑かし続けていると…かゆい、かゆい、かゆい。
化猫・序の幕レビュー / 化猫・大詰めレビュー
以下ネタバレ。
乗客らの証言、その“真”を知りたがっているという物の怪。市川節子を死へと導いたのは、それぞれの自己の甘えに因るのか。
どう足掻いても逃げ出せない密室で次々とパニックに陥っていくが、薬売りが突き詰めると少しずつ体験した事を語り始める。
見た事を覆い隠し、口にした事を誤魔化し、耳にした事を遮り、伝えるべき事を看過し、轢いた事を自得した者達。それは地下鉄建設の利権によって私利私欲を肥やした市長、状況を都合良く解釈した刑事のウソを暴き、真実へと近付いてゆく。
心に閉じ込めたものを吐露する事で、列車の閉じられた空間から脱したが、その先に待つのは市川記者と同じ“死”であった。
「殺されるのなら言っても無駄じゃない!」
巻き込まれたくない、死にたくないという保身の為の欺き、醜い争い。
そして全員が事切れたかと思いきや、隣の車両から薬売りの目の前に現れたのは、市川の上司である森谷編集長だった。
彼女とのやり取りのシーンで、台詞が全て森谷の声だったのが若干気にはなってたが…はてさて。
彼の出現と共に、化猫の“形”も見えてくるはず。来週、ついに終演へ。