オモテを忘れた物の怪。

モノノ怪」のっぺらぼう・前編。殺人事件から始まる怪談らしい話の流れ。


嫁ぎ先である藩主・佐々木一家を惨殺した下手人として、死罪を言い渡されたお蝶。刑の執行を明日に迎えた彼女が居る牢に、何の前触れも無く薬売り。
死罪を目前に控えた顔では無いと問い詰めている所へよく喋る物の怪・能面の男が現れる。
しかし退魔の剣は“形”とは見ない。狭い牢屋で早くもバトル、顔を取られる。
海坊主エピソードで活躍した鏡はぶら下げていた首飾りだったみたいだな。


次々と面が替わる男に対し、素顔を晒しているお蝶が最も無表情である事が悲哀を誘う。牢獄は一つだけではなく、逃れられない生き地獄がそれである、と。
男はお蝶に求婚し生きる証を与えようとするが、それはお蝶の過去、家系の秘密から目を逸らせようとしているからのようだ。男が言っていた“戻る場所”にも関わってくるのか。
オモテを隠す能面の男が、欺いてまでお蝶から隠す真実とは?“本当の顔”が暗喩するものが今回のポイントとなりそう。あと恩返し的な展開も考えられるかも。
男の面が外れた所で後編へ。


海坊主・大詰めレビュー / のっぺらぼう・後編レビュー


モノノ怪 参之巻 「のっぺらぼう」