海の向こうにあるものは。『崖の上のポニョ』

木場の109シネマズにて。
監督がどういう意図でこの作品を仕上げたか…と考えながら観ていたらニヤニヤしっ放し。
周りの子供達もキャッキャッと反応は良かった。


広い海を舞台にしながら、そこはやはり宗介達が生活圏とする海辺の町を中心に置いているので、『もののけ姫』などに比べたらスケールは当然せせこましい。物語が進むにつれ、外界から隔絶されたようなその風景描写は、もしやあの世に繋がっているのでは?とさえ思えてくる。それは、介護施設「ひまわりの家」の人々の動静も十分影響されているのだが。
ジブリ美術館を作った後だったか、監督が「子供達と一緒に過ごせるホスピスを作りたい」とイメージ画まで描いていたのを憶えていて、老後のビジョンがこの作品に存分に投影されているのかも。
ハウルの動く城』でも見られた、力の度合いに因って姿形が変わるなど、監督独特の「マ法*1」も健在。
さらにフジモトの妙な力に臆さなかった宗介が、母の喪失で初めて弱い面を見せた事にも注目。
母の絶対的存在など、監督の純然たるフェミニストっぷりが色濃く出ている。


子供と触れ合う老人達、父親の不在、母賛美…
そして、「二度と吾朗みたいな子をつくらないために」。
子供が純粋に“希望”を抱くように願いを込められた作品との事だが、何よりアニメーションの“動く”面白さがダイレクトに伝わって気持ちがいい。
無茶ママのカリ城カードライビングや、CMでも流れているポニョが水魚の上を疾走するシーンは期待通りの出来。


映画「崖の上のポニョ」公式サイト - スタジオジブリ


さて、そんな宗介のモデルともなった宮崎吾朗氏が、この作品の試写会で「凄かったです…」とか言っていて、何となーく不愉快。
父親殺しが失敗した、そんなゴローに捧げます。


♪ゴーロゴーロゴロ パヤオの子〜
 アースシーから やってきた
 ゴーロゴーロゴロ ゲドこけた〜
 けっきょく おやの 七光り


崖の上のポニョ - goo 映画

*1:まだれに片仮名のマ